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マッチ箱博物館は応用自在
MNHは何がしたいのか? vol.7マッチ箱博物館は応用自在
※本連載はMNH菅会長のインタビューをもとにお届けしています。
このようにマッチ箱博物館は、マッチ箱に入るものであれば、どんなものでも応用できる商品である。MNHは、今、その展開に率直にとても期待をしている。
菅会長はこう提案する。
「大企業は自身の製品にちなんだ企業博物館というものをもっているところが多い。また、地域の魅力を発信したい行政も多いはず。そんな時に、このマッチ箱博物館の器をつかって、なにか応用ができるのではないだろうか」
例えば、日本酒のメーカーだったら、珍しい蔵元のキャップを入れることもできる。鉄道企業だったら、なにか列車の小さな部品でも詰めてみれば、鉄道好きな方には喜ばれるかもしれない。地元の山の魅力を伝えるために、木の実なんかをコレクションにしてもいい。
あくまで想像だが、企業や行政が一般の方に向けて展開できる商品は無限にあるだろう。
マッチ箱博物館で商品展開すること
一方で、マッチ箱博物館で商品展開することは、社会的意義が高いといえよう。
「マッチ箱博物館」では、現在その生産工程の一部を、障がい者が働く福祉作業所に依頼している。その際、個々の福祉作業所の課題にできるだけ対応した作業体制も整え、作業所の収益化にもできる限り配慮している(*)。
例えば、企業がマッチ箱博物館の器で商品をつくろうとした場合、MNHのノウハウをもとに、地域の福祉作業所の労力を活用してつくることも可能だ。このような取り組みは、SGDsの文脈においても、企業として取り組む意義は大きいのではないか。
行政側にとっては、地元の福祉作業所の安定した仕事の確保や、現状以上の収益化をはかることにもつながるだろう。さらに福祉作業所と連携して、マッチ箱博物館の器で地域の魅力的な商品づくりを企画することもできるかもしれない。
多くの人と取り組めば、弱者の働く場が増え、日本に幸せな人が増えていく。
大きな夢を描く小さな企業としては、日々願うところである。
(*)現在、就労継続支援のなかのB型福祉作業所の課題は、大きなロットを受けられないことや、職員が作業をさせたいがために安くても作業を請け負ってしまうことなど多岐にわたる。 MNHでは、複数の作業所にその作業所の能力に合わせた作業の割り振りを行い、その際、相場の3倍以上の賃金で作業をお願いしている。
ちなみに、マッチ箱博物館においては、中に入れる“虫入り琥珀”を磨く工程を委託している。今後も箱づくりや梱包作業など作業範囲を増やしていく予定である。