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「独占する」のは悪いこと?
MNHは何がしたいのか? vol.3「独占する」のは悪いこと?
MNHが、「日本を良くしたい」という、菅会長の純粋な想いからできた会社だということをお伝えした。
その後の菅会長は、「社会で弱者のレッテルを貼られてしまっている人たち」が、活躍できる場をつくるために、ビジネスをはじめていく。
ここで、そもそも「MNH流のものづくりとはどんなものか?」ということをお話ししておきたい。
「簡単に作れて、良く売れて、利益が出て、長く独占する」。実はこれは、MNHに限らず、ものづくりの大原則だ。
前半はなんとなくイメージができるだろう。
身の周りにあるもので簡単に作れる、というのは基本中の基本だ。
MNHの高尾山かりんとうでいえば、同じ東京の多摩地区にかりんとう屋さんがいて、梱包を手伝ってくれる福祉作業所があったから、MNHの器のなかで作ることができた。メーカーはものがつくれなければ、そもそも話にならない。
つくったはいいが、売れないと意味がない。売れるものを見極めてからつくることも大事だ。
一方、利益がでないと、ビジネスは続かない。
利益が出ずに、ぐるぐると補助金だけでまわすのは巷でよくある話ではあるが、我々はビジネスだ。MNHのかりんとうも、福祉作業所の障がい者の労力をかりて作っているが、利益がないと最悪彼らが食いはぐれてしまう。継続していくためには、利益が絶対に必要だ。
MNHにとってのビジネスの肝とは。
最後の、長く独占するということが、実はMNHにとっての肝だ。
独占するというと、悪い意味にも聞こえるが、そうではない。
例を出そう。
MNHの高尾山かりんとうが、10年以上もの間、高尾山薬王院で安定的に売れている理由が、お分かりになるだろうか?
お寺にしても、儲けだけを考えたら、スターバックスと組んで山頂でカフェでもやったほうが、売れるだろう。
しかし、仏教という宗教施設ではそうはいかない。民間企業とは本来組まない寺院が、その神聖な敷地でMNHの商品を販売してくれているのは、社会貢献度の高い商品だからだ。
高尾山かりんとうは、製造過程で弱者の働く場の支援をしている。その社会的な大義名分により、数ある他の商品の中から、MNHの商品を起用していただいているのだ。
結果、MNHのこのかりんとうは、高尾山のお土産という分野で競争優位性を保ち、地元の障がい者の働く場を守り続けているのだ。
つまり、独占するのは、社会的に弱者とよばれている人の雇用をつくるMNHにとって、とても重要なことなのだ。